映画「風立ちぬ」

<14:44、体重85.6kg>
 今朝観てきました、宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」;
http://kazetachinu.jp/
感想は「今までの宮崎駿作品とは異なる、日本人なら何かを感じる作品」です。
面白いかどうか、観て損しないかどうか、おススメかどうか、簡単に答えることはできません。
今までの宮崎作品特有のファンタジー的なところは、主人公の夢の世界を表現する際にちょっと出ています。
堀越二郎さんという実在した天才飛行機設計者をモデルにした主人公が、堀辰雄さんの小説「風立ちぬ」での悲しい恋を織り交ぜながら、関東大震災世界恐慌帝国主義という時代に飲み込まれながらも戦闘機を設計しなければならなかった、その半生の話といえばそれまでです。
しかし、登場する主人公、ヒロイン、その周囲の人々は自分を信じて、周りを信じてひたむきに生きています。
9/11テロ、リーマンショック東日本大震災などを経験した現在と非常に似た時代でも、人々は懸命に生きていた。
だからこそ、現在の我々も懸命に生きねば、そういうことなのでしょう。
しかし、諸外国から観たら「零戦を作った男を題材にしているなんて、日本は右傾化している」と誤解を招くかもしれない。
その誤解を招かないように、メディアは伝えていかなきゃいけないと思います。
 また、今回は宮崎監督の遺作だ、と鈴木プロデューサは言っています。厳密には「遺作になっても大丈夫なくらい、作り込んでいる」という意味だと思います。
いつも以上に作画力が発揮されています。
 配役の面で言うと、庵野秀明さんを主人公の声優にしたのは、自分の作品の作り方を庵野さんに伝えたかったのではないのか、と思います。この映画の特別番組で庵野さんも、宮崎さんを「師匠」って言っていました。
厳密な意味で「宮崎駿の後継者」といえるアニメ監督はいません。宮崎アニメのmeme(ミーム)を伝えたかったのでは、とつい想像してしまいます。
 ヒロインの声優を演じた滝本美織さんは上手くハマっていたというか「宮崎アニメのヒロイン声」の素質があります。今後声優の仕事も増えるかもしれません。
うー、結構長文になってしまいました。とにかく、日本人なら観て何かを感じることができる作品です。